こんにちは ものです。
実は、前職は看護師でした。
『あ、病院辞めよ~』と思い立ってから1ヶ月で退職確定したのでレポートします。
まずは半年前にさかのぼります。
半年前
この頃から謎の体調不良に悩まされ始めました。
・37度台の微熱の継続
・突発的な40度越えの発熱
・ベッドから起き上がれないほどの倦怠感
・仕事以外の時間は寝転んでおかないと、次の勤務で動けなくなる
・ちょっとコンビニに行くだけで激しい動悸
・勤務中の突然の頭痛
大きな病院で全身精査してもらうも原因わからず。
おそらく精神科にかかれば適応障害や自律神経失調症の診断つくかな?と素人目に考えてみたり。
もともと要領も良くなかったので、委員会の増加や新人教育、経験年数が上がることに増える責任感にストレスを感じていたのかもしれません。
上記体調不良により私のプライベート時間はゼロ。
ほぼ寝て過ごすことに。
ひとり暮らしをしていたため生命維持のため100m先のコンビニまでなんども休憩し這っていく状態でした。
勤務中は常時ぼーーっとした頭でインシデントを起こさないため何度も確認作業をしていました。
よって1つのことに時間がかかる。
仕事が片付かない。
新たに舞い込む業務業務。
残業。
立派な悪循環が成立していました。
5ヶ月前
「キリの良いタイミングで辞めてやる。」
そう意気込んで師長さんへ、体調不良のこと辞める意思があることを伝えました。
でも引きとめられてしまいました。
悲しいかな。
この時はまだ私自身に辞めることに対する戸惑いや不安があったのです。
「辞めたあとどこで働こう」
「年金とか税金とかどうしたらいいのかわからないし」
「鞭打てば私の体はまだ動くし…。」
重症度も介護度も必要度も高くこだわりの強い患者さんが多い時期でした。
人が足りず、土日祝日出勤・夜勤ができる人手が本当にいない。
病休がでたときは、シフト上あったはずの休日も急な勤務変更でいつのまにか消えさり振替休日なんて忘れ去られている時もかなりありました。
忙しい時期は月6回以上夜勤をこなし、法律上で決められている「休日」ははした金で病院に買い上げられ休む暇なく勤務をする日もありました。
疲労としんどさのせいで頭が動いてなかったのかもしれません。
「もし私が辞めてしまったら、病棟の人がもっとしんどくなってしまう。」
そう言われると辞めることができませんでした。
4ヶ月前
前回の面談で言われていたことがありました。
「病気休暇や日勤だけの勤務にするのは難しい。退職するなら診断書が必要だろう。
だけど業務を軽くすることはできる。
きもち夜勤が少ないかな?程度のシフト調整をしてあげることはできるかもしれない。」と。
まぁ蓋を開けたら夜勤回数はそのまま。
休日お買い上げ出勤も変わらず。
強いていうなら、突然の勤務変更が少し減ったくらい。
人がいないので仕方ないですよね。
私の身体のしんどさは変わりませんでした。
1ヶ月前
忘れもしません。
インシデントを起こしました。
完全に私のミスでした。
患者さんの身に危険が起こる前に同僚看護師が気づき大事には至りませんでしたが、ここで私は悟ります。
「このまま看護師続けてたら患者さんあやめてしまう。」
この日、退職を決意しました。
その後の行動は早かった
次の日、師長面談
退職届を叩きつけます。
診断書は出しませんでした。
翌週、看護部長面談
「大丈夫、ちゃんと辞めさせてあげるわ。えぇ辞めさせてあげることはできるのよ、でもね病気休暇とる?外来勤務になる?そんな方法もあるんじゃないかしら?優秀な看護師と聞いているわ、辞めるなんてもったいないわよ」等
あの手この手で褒められおだてられ引き止められるも断固拒否。
本当に優秀な看護師ならインシデントなんて起こさない。
先方は夜勤ができる駒が欲しいだけ。
翌々週、事務長面談
退職必要な書類等をもらい、晴れて退職の運びとなりました。

退職を決めて感じたことは
こちらが本気で辞める姿勢を示さない限り、上層部は全力で引き止めてきます。
夜勤を減らしてあげる
お給料をあげてあげる…etc
様々な誘惑を提示してきます。
しかし、私の実感としてそれらの誘惑がきちんと守られることはありません。
少なくとも私の場合は守られませんでした。
むしろお給料へった。
本当に辞めるならまずは自分の腹をくくって、「必ず辞める」という意思を強く持たなければ辞めれないなと思いました。
法律上は2週間前に退職の意思表示をすれば辞めることができます。
…ですが、看護師業界は狂っているのでそんな法律あってないようなものです。
師長さんに「体調不良の診断書がない限り退職できないよ」と言われた時には「やっぱりそうなんだ…。」と落ち込みました。
辞めるにあたって準備したこと
1.職務規範を読む
みなさんは自分の職場の職務規範を読んだことはありますか?
給与やボーナス、各種手当や退職に関する手続きまでなんでも書いてるいわば院内ルールです。
まずはこれを読み込みましょう。
・退職1ヶ月前までに申し出なければならない
・毎月●日に所属しているものに給与を与える等、
病院によって様々な取り決めがなされているものです。
戦うためにはまず相手を知るべし、です。
2.面談対策
師長、看護部長、事務長、院長…etc
退職するためには様々な上司と話し合いをしなければなりません。
上司によって多様な『引き止め』が予測されます。
先に退職された方のお話を聞いたり、ネット上で看護師退職の方法をチェックしたり、自分が辞めるための持ちネタ・返答方法を考えておきましょう。
3.「辞める」という強い意思
もう最後はこれにつきます。
『看護師は辞める』
強い気持ちを持って上司たちと渡り合いましょう。
言葉で言うのは至極簡単で。
それなのに1番難しいことです。
無事辞めれるか?実は懸念材料があった
上記に記載した通り、職務規範を読み込んだんです。
すると悲しい特例が書いてありました。
意訳『2週間前に言えばやめることができる。ただし退職により業務の運営に著しい支障が生ずると判断された場合、院長は1年の退職延期を言い渡すことができる』
なにこれー!!!
見つけたときは肝が冷えました。
特例中の特例なので全ての人に当てはまるわけではないにせよ、ヤバ!ってなりました。
あと一年働くとか無理。
わたしの体力的に無理。
メンタル的にも無理。
延期とか絶対避けたい。
んー。
あー。
そうだ。
そうだよね。
上の人たちに辞めていいよって言わせちゃえばいいんだ。
退職理由について
目標は病院上層部の方たちに「やめていいよ」って言われること。
そのためにいろんな作戦を練りました。
私の場合、このまま続けたら患者さんの不利益になるという盾を前提に後の理由は(真偽おりまぜ)肉付けしていきました。
以下に私が辞める時に使った理由です。
箇条書きにしてみました。
・半年前から急に高熱がでる〈ホント〉
・月の半分は微熱が続いている〈ホント〉
・身体は動くし…と働いていたが、頭がボーッとしてしまう〈ホント〉
・このままでは患者さんの安全が守れない〈ホント〉
・インシデントを起こしてからでは遅い〈ホント」
・だから辞める
デモデモダッテと引き止められたら言おうと思っていたこと
(実際にはいうタイミングはありませんでした)
・体調不良の中で働いていたことは家族も知っている〈ホント〉
・家族は辞めることに賛成している〈ホント〉
・お盆があったので親戚中から早く辞めるように言われていたが〈ウソ〉なんとか働いていた
『家族が辞めるように言っている』といった第三者の視点を混ぜることで、退職に対して味方がいることをアピールすることが出来ます。
もしこれで無理に引き止めた場合『うちの子は体調が悪くて退職を希望したのに辞めさせてもらえなかったらしい。あの病院はブラックだ』と言いふらされる可能性があるため、軽い抑止力になるらしいです。
まぁ上司の考え方にもよるとは思いますが…。
たかが小娘1人引き止めたせいで病院の信頼ガタ落ちになったら困りますものね…。
そんなこんなで面談を乗りきり、無事退職を勝ち取ることが出来ました。
辞めるにあたって諦めたこと

看護師を辞めるにあたって諦めたことが4つあります。
1.ボーナス
職務規範上、退職日の都合もあって対象外となってしまったのでボーナスがもらえませんでした。
あとちょっと頑張ればボーナスがもらえたけれども、そこまで働くの無理だなーと思って諦めました。
2.有休消化
本来ならば7日ほど有給が残っているはずでした。
しかしながら一刻も早く辞めたかったので有休を勝ち取る戦いは行いませんでした。
それに有給消化中は病棟所属とみなされてしまうので、新しい補充の方が来れない。
私が辞めてマイナス1で、しかも補充が来なくてってなると同僚のみなさんに申し訳ないな…という思いもありました。
3.退職金
あと○ヶ月働けば退職金がたくさんもらえたのに〜ってよく言われます。
職務規定によれば勤続年数によって付与される額が変わるそうです。
貰えるものはもらいたいけど、私にとって長く働き続けることの方が難しかったので諦めました。
4.お給料
転職してお給料が下がるのは仕方ないと諦めました。
だって命削って夜勤して、小銭で休日お買い上げされてたもん。
いままでが少し高くて当然。
どれも諦めたことに後悔はありませんが、参考までに書きのこしておきますね。
さいごに
退職してから日が経ちました。
いまは看護師・医療とはまったく関係ない新しい分野の職場で楽しく働いています。

人が死なない
人の命を預からない
あの頃に比べたら責任が少ない
土日祝休み
夜勤ない
残業ほぼない
朝起きて夜眠る生活
患者さんから悪態つかれることもない
忙しさでイライラすることもない
熱も出ないし、腰も痛くない
きちんとお休みの日があって、プライベート時間が確保できる
ちょっと手の込んだお料理を楽しんで、時にはお弁当も作ってみたり
お給料は減っちゃったけど、「こんなにも気楽な生き方があったんだ~」っていうくらいとても充実した毎日です。
小話
1:病気休暇・勤務条件の変更も考えたけど
退職以外の道はなかったのか?
そんなことを考えたりもしました。
一般的には労働者の権利として病気休暇や時短勤務などの勤務変更が認められています。
認められていますが、果たして私のような駆け出しペーペー看護師にその価値があるでしょうか?
おそらく適応障害(確定診断未)の私が、例えば1か月の病気休暇を取得したとして、復帰時にバリバリ働けるだけ回復しているでしょうか?
もし回復していたとして、私自身、次いつ体調を崩すとも分からない状態で働き続けることができるでしょうか?
例えば時短勤務や夜勤免除の勤務が認められたとして、それでも病棟に残ってほしいと思われるほど私は優秀な人材でしょうか?
いろいろ自問自答した結果、やはり退職して次の看護師さんに来ていただいた方が私的にも病棟的にもメリットが大きいのではないかな?と思っちゃいました。
事実補充で来てくださった方はベテランさんでした!
2:今思えば
1番しんどかった時に『たすけて』って言えたら辞めなかったと思います。
ひとえに私がプライド高くて周りに愚痴がこぼせなくて1人で殻に閉じこもって死にたい死にたいって視野が狭まってたせいで退職という安直な逃げ道を選んだんだな…とも思っています。
私の周りにはこんなにたくさん支えてくれる人がいたにもかかわらず1人で勝手に自滅した、という表現が正しいのかもしれません。
辞めると決意した理由は言葉で言い表せないほどの感情が混ざり合っていて大変複雑です。
退職届叩きつけた!辞める意思を持って!とか強気で偉そうなことを言ってる割に退職するその日まで辞めようか辞めまいか悩んでました。
師長さんを始め病棟の職場環境はとても良く、先輩は皆丁寧に指導してくれました。これは本当。
だからこそ最後の最後まで辞めるの辞めるって言いそうで。
私の気持ちはぐらついたままでした。
まぁ結果論だけど。
この記事を読んでくださっているあなたは、きっと今の病院をやめたいと思っていることでしょう。
そして身近な人には相談できない&周りに無事退職できた成功例がないor退職談をききたいと思って検索してくださったのでしょうか。
誰かの役に立てたらいいなと言うのはおこがましいので「あ、こんな人もいるんだ」と思ってもらえたら幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
もの